プロジェクトストーリー #03

機械チーム:浦山地区 揚水機場プロジェクト

能代電設工業が手掛けるプロジェクトは、その多様さと専門性で注目を集めています。社名の通り、電気工事や電気通信工事はもちろん、再生可能エネルギー関連事業にも積極的に取り組んでいます。それだけでなく、プラントメンテナンスや機械器具設置工事、管工事など、幅広い分野で高い技術力を発揮し、多くの成功事例を生み出してきました。

このような多岐にわたる事業を牽引している1人が、機械課の田村課長です。彼のリーダーシップの下、機械チームは技術力の高さと団結力で多くの困難を乗り越え、社内外からの信頼と評価を獲得しています。

そんな田村課長に、機械チームがこれまで手がけてきたプロジェクトの中でも特に心に残るもの、チームの結束力を表すできごと、チームのこれからについて伺いました。

左より田村佑也(工事部機械課長)、児玉政人(現場代理人)

未経験から成長中のチーム

ここには能代電設工業の機械チーム課長である田村さんと、同じく機械チームの児玉さんに集まって頂きました。チームには8名の社員がいますが、まずは田村さんからこのチームの業務やチームメンバーについて簡単に説明していただけますか?

田村:私たちは主に公共工事や土地改良区からの工事を担当しています。官庁機械設備などのプラントの設計、据付、メンテナンスが主な業務です。チームは19歳から60代のスーパーバイザーまで幅広いメンバーが揃っています。全員が経験豊富なメンバーというわけではなく、新卒入社や他業種からの転職で入ってきた人も多いので、むしろ「未経験から成長中のチーム」という方が近いかもしれません。

機械チームは年齢層こそバラバラですが、側から見ていてもチームワークの良さを感じます。そんな機械チームがこれまで手がけた工事の中から、特に印象深いものを紹介してもらえますか?

田村:全ての工事に思い出はありますが、チームワークという観点で印象深いものとしては、2023年4月に行った秋田県大館市の浦山地区揚水機場の整備プロジェクトですね。児玉さんは入社して一発目の現場代理人の仕事でしたよね?

児玉:そうですね。前職は土木関連の仕事をしていましたが、能代電設に入って最初の仕事でした。

田村:このプロジェクトは非常に大規模なもので、水田に水を供給するためのポンプ場を更新して新設するというものでした。当社の担当としてはこのポンプ設備の更新工事だけでしたが、その前に他社さんによる土木工事があって、これが終わらないと私たちの担当区分が進められないというものだったので、土木工事のノウハウがある児玉さんが現場代理人として協力してくれるというのは心強かったし、測量や管理の方法についてチームにたくさんの技術を共有してくれました。

ゴールデンウィークは…休みたい!

この工事がチームにとって印象的なものになった理由はなんでしょう?

田村:まずこの工事ですが、私たちの前の段階で大幅な遅れが発生していました。数百ヘクタールに及ぶ農地に水を運び、地域の農業生産性を大幅に向上させることが期待されるポンプの設置という、いわば心臓と血管を担う工事です。このころ4月末に差し掛かる時期で、「ゴールデンウィーク明けには水田に水を入れなくてはいけない(ポンプが設置され、稼働しなくてはいけない)」というリアルなリミットが迫っていました。

児玉:私たちの前の工事…これは他社の施工のものですが、これが遅れていて、このままだと私たちの作業日程が3〜4日しか取れなくなりそうで、どう考えても時間が足りないことが分かっていました。

田村:ゴールデンウィーク明けには稼働している必要があるのに、ゴールデンウィーク直前でまだ私たちの工事が開始できない、このままだとゴールデンウィークに施工しないといけなくなる、でも休みたい!って(笑)

当社はワークライフバランスを大事にしている会社ですが、かといって工事が遅れてもいいということではありませんよね。

田村:その通りです。ということで、残る手段としては他の業務に回っている機械チームのメンバーを全員召集して、全員のパワーで工事を3日間で終わらせよう!というものでした。このことをチームのみんなに相談したところ、全員が快く受け入れてくれて「やりましょう!」と言ってくれたのが嬉しかったですね。

児玉:ひとえに田村課長の人柄や、統率力のたまものだなと感じました。実際これで機械課のメンバーが全員集まってくれたし、上司も部下もなく全員で体を動かして工事にあたりました。結果的に、その3日間できっちり工事が終えられたことは、現場代理人として何よりの思いでした。

田村:人数がたくさんいる分、余裕があっていつも以上に安全な工事もできましたしね。

役職も上司も部下もなく、全員で団結

児玉:当時、高校を卒業して入社したばかりの社員もこの工事に参加していましたが、入社1ヶ月で経験豊富な先輩社員があれだけ揃った現場にいたわけですから、いい学び方ができたんじゃないかなと思いますね。

田村:そうですね。現場での意思決定とか問題解決能力とか、あの現場だったからこそ得られた経験がありました。新卒新人も入社1ヶ月にも関わらずチームの一員として責任感も持ってくれて、プロジェクトの成功に向けて自発的に動いてくれましたからね。

技術面だけでなく、人間としても成長が得られる現場だったということですね。短期間で工事を進める中、なにかトラブルなどはなかったのですか?

児玉:そもそも工事箇所の足場が非常に悪く、ぬかるんでいました。そんな中、若手メンバーが率先して雨具を着用して、作業を続けてくれたんですよね。その姿にみんな影響されて、役職も上司も部下もなく、全員で全身泥だらけになりながら進めました。田村さんも本来は管理側だけど、一緒に泥だらけになって作業してましたね(笑)

田村:参加しないと悪者になるっぽい空気になってたから…(笑)というのは冗談で、経験の浅い社員たちに現場で直接技術を教えたい、という想いがありました。単なる力仕事ではないので、各人が技術を習得してモノゴトを考えながら手を動かして欲しかったですから。

当社が大事にしている、「どんなことも自分のことのように考えてみよう」の精神ですね。

田村:そうですね、あの現場では全員が自分の仕事に責任をもってくれて進められたプロジェクトだったと感じています。もともと結束力のあるチームだと自負はしていますが、この経験でより絆が深まったことと、全員がスキルアップできたことが何より大きいですね。

今後のプロジェクトに向けて、チームはどのような準備を進めているのでしょう?

田村:常に新しい技術や方法論の探究を全員で追求していきたいと思っています。また、チームメンバーのスキルアップのための研修やワークショップも定期的に実施しており、最新の業界動向には常にアンテナを張っているつもりです。

児玉:我々のチームには「機械技術面では社内随一」というスーパーバイザーがおり、全員がその方から技術の継承を受けたがっています。一番近くにこういった存在がいるということは大きいですね。

田村:正しい技術を身につけることって、仕事が早くなるだけではなく「最も安全な工事」を身につける事と言えますからね。だから、私たちのチームにこれから加わってくれる方は経験の有無に関わらず安心して飛び込んで来て欲しいと思っています。


Outro

インタビューを通じて、能代電設工業機械チームはただ単に技術力を追求しているだけではなく、困難な状況においてもその結束力と柔軟性で乗り越えることができる、まさにプロフェッショナルの集団である、という印象を持ちました。田村課長と児玉さんの率直な言葉からはチームの強さだけではなく、温かさや人間味も伝わってきます。

仕事に対する熱意、それを支える強固なチームワーク。休むときは休み、仕事にも全力で臨む。大切な技術は継承し、何よりも安全を最優先する。能代電設工業機械チームはまだまだ進化し続けます。

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